魔人の少女を救うもの 感想

   GA文庫
第9回GA文庫大賞≪優秀賞≫ファンタジー作

「弱くてもいい。あなたがいいの」
ウィズにはわからなかった。偶然出会っただけの少女アローンがなぜ自分を慕うのか。彼は凡夫で、秀でた才能もない二流の傭兵。遠い故郷を目指すアローンの護衛役にはふさわしくない、そう思っていたが……。

「……同じだったから。あなたもわたしも同じ……選ばれなかった人間」
少女が告げる言葉の意味、そして待ち受ける残酷な運命を知ったとき――ウィズは決意する。守りたい……守ってみせる。
たとえかつての親友、救世の英雄を敵に回しても――


 210P程度試読版があるので、それを読んで一応気になったので今回は購入してみた。書籍の方は300P無いくらいだから殆ど読めるね・・・!


  感想

 おおまかな感想としては、全体的に見て非常に分かりやすい構成だったという点、ウィズとアローンの2人の関係性が良い意味でうまく絡みあっていたという点で読んでて変に詰まるところがなかったので、読みやすかった。

 前者に関しては、基本的にウィズとアローンサイドと英雄サイド視点を中心に展開されていき、ところどころウィズとアルルクル、アローンの生い立ちが挟まれている構成で、序盤は少し場面転換の多さが目立ったがキャラを理解する上で必要最小限の情報かつ、読者が脳内補充できる範囲でうまく散りばめてくれていたと思う。

 後者に関しては、正直序盤でのアローンの性格に対して不安感が強く感じたが、誌読版の最後に当たる場面でのウィズとの対話でのやりとりを見れば分かる通り、こういう性格だったからこそ2人の「選ばれなかった少年」と「見放された少女」の悲壮感というかドラマ的演出に繋がったんじゃないかなと解釈すれば特に問題は無く、読み終わった後はおきまり展開だったとはいえそこまで不満は感じなかった。

 気になった点としては、文体に違和感があったのと、英雄サイドにやや不安ありの闘いの終わり方だったところかな・・・

 とはいっても予想よりはかなり面白かったので、良い意味で裏切られてしまった。続刊が出るならば個人的には追ってもいいかなと思った。話は広げようと思えばそれなりに広げられそうな内容ですし。


  最後に

 というわけで今回はこれでお終い!アローンの母親の再婚相手の壮年の男が丸太を振り回したシーンで、彼岸島を連想してしまってちょっと話に集中できなくなったのは自分だけじゃないはず・・・後、アルルクルくんのキャラデザ可愛過ぎる!

★満足度:70%